失はれる物語(文庫)
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乙一の短編集。
「CALLING YOU」…角川スニーカー文庫「きみにしか聞こえない」
「失はれる物語」…角川スニーカー文庫「さみしさの周波数」
「傷」…角川スニーカー文庫「きみにしか聞こえない」
「手を握る泥棒の物語」…角川スニーカー文庫「さみしさの周波数」
「しあわせは子猫のかたち」…角川スニーカー文庫「失踪HOLIDAY」
「マリアの指」…角川書店「失はれる物語」
書き下ろし2作以外は↑の再掲載です。
読んでみるとなんだか完璧なハッピーエンドって話が無いような
気もしますが、それでも心が温まるような話ばかりでした。
「手を握る泥棒の物語」と「しあわせは子猫のかたち」が個人的には好きな話です。
「しあわせは子猫のかたち」はもう死んでいるはずの家の主人雪村サキと、
そこに住むことになった主人公の話です。この二人の生活がずっと続いてほしかった。
どの話も読んだことが無い人は買いの本だと思います。

内容：目覚めると、私は闇の中にいた。交通事故により全身不随のうえ音も視覚も、五感の全てを奪われていたのだ。残ったのは右腕の皮膚感覚のみ。ピアニストの妻はその腕を鍵盤に見立て、日日の想いを演奏で伝えることを思いつく。それは、永劫の囚人となった私の唯一の救いとなるが…。表題作のほか、「Calling You」「傷」など傑作短篇5作とリリカルな怪作「ボクの賢いパンツくん」、書き下ろし最新作「ウソカノ」の2作を初収録。

『失はれる物語(文庫)』 [bk1][amazon]
出版社:角川書店
発行:2006/06
価格:￥580