岩手県遠野町（現、遠野市）出身の佐々木喜善によって語られた地元の民話を、柳田が編纂したものである。その内容は、天狗、河童、座敷童子など妖怪に纏わるものから、山人、マヨヒガ、神隠し、死者などに関する怪談、さらには祀られる神様そして行事など多岐に渡る。

『遠野物語拾遺』は、昭和１０年に再版された『遠野物語』の増補という形で刊行
ちなみに
しゅうい【拾遺】
（歌・作品など）漏れ落ちているものを拾い補うこと。…シラナカッタ

簡単に言えばただの言い伝えや昔話を集めた本です。
ただし、それだけでは終われないのがこれのすごいところで、ただの眉唾ものの話が事実とも思えてくるのです。
実際にあった人が数年前に存在した。という話が幾度となく語られます。
似たような体験をしている話がいくつもあります。
確かに妄想やただの嘘の類ではないか、というものも中にはありました。
しかし度々登場する長身の人々など実際に存在すると思わせるのです。
山人や天狗の類、むしろその元となった人々は本当にいたのではないかと。

今では忘れてしまった昔々の日本の村の、その山岳信仰ともいえる山がらみの不思議な話が非常に読んでいて面白いです。
たくさんの話がある中でマヨイガの話がおもしろい。ぜひ行ってみたい（幸せになりたい）。

ある種の閉鎖空間の中で伝わってきた話だからこその真実味とその不思議さをぜひ読んで体験してください。

独特の文体っていうか多少読みにくいけど、それもこれをおもしろく読むためのエッセンスだと思えばなんのその。

もしこの本を昔読んでいたら大学で民俗学学びてぇ~と思っただろうな。
とにかく普通の昔話としても面白く読めました。ぜひ子供に語って聞かせたいです。結婚もしてｎ（略